物流費というものをかんがえる
近年のロシアの報道を受けて
よくこれの価格が高騰するというようなニュースを最近はよく耳にする
最近でいうと小麦
身の回りで身近なものだからこそニュースになるが
それに伴って豚肉や鶏肉の価格も上昇する
日本の畜産に使われる飼料はほとんど輸入に頼っているため
輸入の価格が上がれば原価が上がりもちろん販売価格に跳ね返る
日本は特に輸入依存国であるから
世界情勢の不安や、物流にインパクトがあるとおおよその周りの物の価格は変動する
しかし、国内の販売会社を見ていると
そこの部分のコストを自社努力で吸収しようとする会社も多い
賃金カーブが緩やかで経済成長に乏しい日本では
利率をキープして販売価格を上げるとなるとなかなか売れなくなる
利率が下がっているのだからもちろん従業員の賃金を上げるわけにはいかない
ひと昔前と比べると物価も経済も成長した日本だが、ここにきて天井が見えてきてしまっている感覚が拭えない
一つは、日本人の原価に関する厳しさだと思う
コスト意識に特に厳しい日本人の資質として、良いものを安く届けるという文化が根強いと思う
一時はMade in Japanというものをよく聞いたが最近ではさほど耳にしない
それは、アジア圏内のほかの国々の成長が大きいのではないかなと感じる
韓国、中国の成長は著しいし、日本で販売店がないため流通が少ないが
世界的に見たら、韓国、中国の自動車や電化製品の伸びはものすごい
ここで危険だと感じるのが、アジアでの伸びている分野が日本が得意としている分野ということだと思う
自動車も家電製品も日本の得意とすること
しかし、スマートフォンもiPhoneの次に今名前を聞くのは、韓国メーカー、中国メーカーばかりだ
自動車分野では、まだまだ日本が差をつけているが、世界規模で見ると韓国、中国の伸びには驚く
私は一つの原因として物流費への捉え方があるかと思う
日本で物流業界で働いているともちろん日本のメーカーさんだけでなく、海外のメーカーさんとも話す機会が多い
その時に特徴的なのは、話し方の違い
つまり何に重点を置いているか
日本のメーカーさんが「いくらで運べますか?」と聞くのに対し
海外のメーカーさんは「運ぶならいくらですか?」と聞いてくる
つまり、日本では価格に重きを置いているのに対し
海外では数量に重きを置いている
これは物流費に関しての大きな捉え方の違いだと思う
物流費というのはある程度の規模感でビジネスを行うのであれば避けられないコストであると思う
日本では必要悪てきな捉え方で、安ければ安い方がいいという考え方が強い
一方で、海外では必要という意識が強く、価格よりも前に、とにかく運んで欲しいという
会話になる
ここの差は大きく
海外メーカーさんではおそらく物流をコストを計算する際のプライオリティとしては上位に位置づけされているのではないかと思う
つまり、いくら物を安く作っても運べないと意味がない
その点、日本は物を作るところに重点を置いているため運ぶ方法はそこまで重要視されていない
それは上述したように売値を簡単に上げられない部分にも大きな原因があるかと思う
しかし、日本がこれから世界と戦っていくにはもちろん良いものを作るというのは大事だが
それと同じように、どこにどのように運ぶかということも重要になる
いくら良い物を作っても、手元に届かないのでは意味がない
日本人としては今後世界で日本が戦っていくためにも
今回の物流の混乱を契機に物流というものを見直されて欲しいと思う