実際にカナダでファームステイをして分かったメリット・デメリット
海外で英語の勉強をするのに選択肢はいろいろとあると思います。
語学留学・交換留学・インターン・ファームステイ・ボランティアなどなど。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
例えば語学留学なら簡単だけど費用がかかる、交換留学は費用が語学留学と比べれば安いかもしれないけれど学校によっては始めの段階からの条件が厳しいとか。
そんな中でファームステイ。
僕がカナダに来る前のファームステイの印象はファームで働く、そして費用が安いというイメージだけでした。
目的にあった留学を
これはよく聞く話かもしれないですが、留学が目的になってはいけないということです。
留学を目的にするんじゃなくて手段とするということです。
留学を通して何を得たいか。
ほとんどの人が英語力だと思うのですが、別に僕は英語力に限ったことじゃなくても全然いいと思うのです。
堅くないところでいわば経験でもいいと思うのです。
ほとんどの人が英語力だと言いましたが、その一方で多くの人が海外で暮らしてみたいという経験を目的に思っている人もいると思います。
海外で暮らすのは刺激的だし、日本との違いに驚くこともあると思います。
でも海外での生活という経験を目的にしているなら注意が必要です。
なにもせずぼんやり過ごしてしまうとあっという間に時間は流れます。
仕事をするつもりならどんな仕事がしたい。
英語力をつけるならどんなテストで何点を取る。
要は目的にあったゴールというのが大事だと思います。
簡単に言うならば、日本に帰った時に周りの人に「私はこれを経験したからこれを得られました。」というのが言えるかどうかと言うことです。
自分を始め留学に行く人は行くことばかり考えてしまって帰ってきた時のことを考える人はあまりいないかと思います。
さて、ファームステイについてなのになぜこんなことを長々と書いているかと言うと
英語力という目的に対しファームステイという手段は適さないと感じたからです。
ファームステイでは英語力は上がらない!?
僕がファームステイと聞いて思ったことの一つに英語力がありました。
もちろん英語力があげられればとも思っていました。
もちろん下がることはなかったと思います。
毎日英語で会話をしないといけないので。
しかし、上がったかというとそんな気は全くしないのです。
ファームステイはアジア人にはそんなにメジャーではないですが欧米の人達にはけっこう一般的なようです。
なぜこのような違いがあるのでしょうか。
僕はそれにはそもそもの基礎英会話力の違いがあると思います。
欧米諸国では英語は会話にも力を入れています。
そして彼らの語彙力は高いです。というのも彼らの母語と英語には似た単語があるというのが理由です。
しかし、アジア人の僕たちは全く違う文字を使っていますよね。
そのため語彙の勉強をしないといけないですし、発音もアジア人には難しいです。
つまりファームステイでの英会話には基本的な英会話力が必要になるということです。
僕は6か月、語学学校に通っていたのですが、それでやっとでした。
イギリス人の人達の会話など聞いて理解するのでやっとでした。
なので基礎ができていない状態で来ても全くわからないのではないのかと思います。
でもファームで仕事をする上で支障がでるんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
しかし、僕はそうは思いません。
というのもファームでの仕事と言っても半分は洗いものの仕事だからです。
野菜の収穫をして野菜を洗う。
収穫の時に使ったものを洗う。
市場に持っていった際のコンテナを洗う。
洗いものの仕事は英語力がそんなに高くなくてもファームの経験がなくてもできます。
英語力を必要としない仕事をしているのだから英語力が伸びるのは難しいかなと思います。
ファームステイの仕方
カナダを始めとするファームステイの仕方は基本的にWWOOFというサイトを使うのが一番簡単で一般的だと思います。
僕はWWOOF Canadaを使いました。実際に使ったサイトをリンクで貼っておきます。
さてここからはWWOOFのサイトを使ってどうやってファームステイにいたるのかを書きます。
留学エージェントでもファームステイを斡旋しているところがありますが、別に個人でやってもそんなに難しくはないです。
①まず会員登録をします
まずWWOOFでのプロフィールを作る必要があります。
最初に会員規約の同意を聞かれたあと、犯罪歴を聞かれます。
(今まで重犯罪に関わったことがありますか?など。もちろん、NOをチェックして進んでください。というか重犯罪に関わっていたとしてもYESと答えないだろ。)
その後自分の自己紹介を英語で140文字以上で書き、写真を3枚程度貼る必要があります。
ちなみにWWOOFのホスティングリスト(農家リスト)を見るには会員手続きはなくても見れます。
②会員登録が終わったら次はWWOOFに50カナダドル払います
このWWOOFというのはロンドンで設立されたNGO団体です。
そのため今後の運営のためにという名目で50カナダドルを払います。
ここでお金を払うことでようやく農家の人の連絡先情報が表示されるようになります。
つまり、ここから実際に自分で連絡が取れるようになります。
ちなみにこの50カナダドルはいつでも払うことができ、WWOOF Canadaの場合は2年間有効です。
なので2年経ったあと他の農家の連絡先を知りたいとなった場合はまたお金を払わないといけません。
③農家の人にメッセージを送る
ここまで来たらもうあと少しです。
実際に農家の人にメッセージを送って返信を待ちましょう。もちろんメールは英語です。
僕が実際に送ったメールを参考までに貼っておきます。コピペしてもらっても大丈夫です。
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タイトル: I 'd like to work at ○○Farm
Hello,I'm ○○ from Japan and I am 22 years old.
I would very much like to work at ○○ Farm. I am available
from 日付.
Would you let me know if you can accept me?
I am participating in WWOOF for the first time, but I'm looking forward to
experience something new.
I would enjoy working surrounded by nature.
I look forward to hearing from you. Thank you.
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ここまで来たら後は返信を待ちましょう!
返信では何週間できるか、部屋をシェアすることに抵抗はないか、タバコは吸うかなど向こうが確認したいことを聞いてくるのでそれに返事をして話を進めて行きましょう。
僕は冬のファームステイだったこともあり受け入れてもらえるか不安だったため、同時に三つのファームに送りました。
そのうち返事があったのが二つで、一つは冬のファームステイを受け入れるとウェブサイト上に書いてあったのですがシーズンを終えたとのことでした。
なので時間がない場合は何件かに同時に連絡するのがオススメです。
ちなみに個人的には一か月がオススメです。
短くもなく長くもないので、気に入ったなら延長するのも難しくないと思うのでいきなり長い期間を申請するのは合わなかったときに大変だと思います。
ファームステイで得られるもの
じゃあファームステイで得られるものってなんだよと思う人もいるかもしれません。
単刀直入に言うとそれは
ファームでの経験、それと新しい人達との出会いです。
僕の場合はアメリカやカナダのような大規模なファームと日本のような小規模なファームでの比較がしたかったのとファーマーズマーケットのような直売のシステム、また有機野菜が本当にカナダのような大規模な農家で機能しているのかということなどに興味がありました。
長々と書きましたが要はカナダの農家に興味があったんです。
だから農家の人に会いに行こうとなったんです。
だからこの経験をもとに考えることや卒論を書く際の参考にしようと思います。
そしてなにより僕には大自然の中で働き、生活するというのはすごい魅力的でした。
特にカナダなどだと本当に大きな土地でどこまでも続く大自然に驚くことばかりでした。
そして自分たちが口に入れているものがどのように作られどのように届けられているかを知るというのは大切に感じました。
また何より命をいただいているんだということを強く意識できるようになりました。
自分で餌をあげて捕まえてお肉になっているのを見るとなんとも言えない気持ちになりました。
自分の中で貴重な経験となっています。
また素晴らしい人たちと出会えました。
素敵な人との出会いはなにも色んな場所や機会があるのでこれは別にファームステイに限ったことではないのですが、やっぱり寝食を共にして仕事も共に働いてと行動を共にする時間が長いので結びつきも強くなりやすいと感じました。
つまり
僕が考えるファームステイで得られたものというのはファームでの経験と新しい人との出会いです。
ファームステイのメリット
得られたものと被るものもあるのですが、僕の考えるファームステイをする上でのメリットだと思うものをあげます。
生活費がかからない
ファームステイでは生活費がかかりません。
働くかわりに食料や住むところは提供されます。
だいたいのファームは町にでるのが車を必要とし、ファームの人もそれを理解しているため食料は支給してくれます。
そのため生活費というのは特にかかりません。
僕はトロントに生活している時はだいたいひと月9万から10万ぐらいかかっていました。
しかし、シャンプーなどの個人的に使うものは支給ではありませんでした。
なので全くかからないというと語弊がありますが、ほぼお金は使っていません。
ファームでの経験が得られる
僕のように食べ物に興味やファームで興味ある人にはオススメします。
実践的な経験が得られるのと同時に食べ物が消費者まで届く過程を全て見届けるのは極めて興味深いものでした。
それに自然が好きな人や動物が好きな人にはとてもいいかもしれません。
ファームに来ていた他の人はみんな動物が好きと言っていました。
僕はもともとは動物が好きじゃなかったのですが、動物が好きなら最初からすごい楽しめていたのかなと思います。
英語のネイティブスピーカーの友達と出会える場になる
これって見落としがちだと思うのですが、語学留学ってネイティブスピーカーに出会う機会は先生以外はあんまりないんですよね。
というのも語学学校に来ている人はネイティブじゃないから英語を勉強しに来ているのでネイティブスピーカーの友達を作るには語学学校以外の場じゃないとないんですよね。
(よく耳にするのがランゲージエクスチェンジ、実際にワーホリで働いている人などは同僚にカナダ人がいるかもしれません。)
やはりネイティブの英語とノンネイティブの英語は違うと僕は感じています。
というのもノンネイティブの人は単語をくっつけてスラスラと話すので分からないこともあります。
語学留学で来ている人からするとネイティブの知り合いを作る場になります。
ファームステイのデメリット
今度は反対にデメリットだと思うことをあげます。
労働力とみなされる
ファームステイはお金を稼ぐことができないのでボランティアのイメージが強いのですが農家側の人は住むところと食料を提供している手前、ボランティアではなく労働力と見ています。
なのでやりたくない仕事であっても基本的に「じゃあやらなくてもいいよ。」とはなりません。
キツイ仕事もありましたが拒否することはほとんどできないと思います。
イギリス人の同居人がオーストラリアでのファームステイは本当に地獄でイモの収穫を8時から17時までフルタイムでやらされ、週末などの休みもなかったと言っていました。
ある意味で奴隷みたいだったと言ってましたが、あたるファームによっては本当に奴隷になりえると感じました。
というのも賃金が発生してない分、契約みたいなのもなく、労働基準も曖昧なんですよね。
だから本当にこの点は注意が必要です。
ファームステイを考えている人はどんなことをするのかなど情報はくまなく見るのをオススメします。
欲しいものがすぐに手に入らなくなる状況になる
カナダやオーストラリアなどだとそうだと特にそうだと思うのですが、町からかなり遠い場合が多いです。
農家は基本的に郊外にあり、近場の町までも基本的に車を使わないといけない場合ばかりだと思いますし、周りにはなにもありません。
僕がお世話になっていた農家の周りには本当になにもなく、一番近い町まで車で15~20分程度でした。
僕がいた時、スコットランド人の女の子が自分のノートパソコンを壊してしまって、修理にいきたいのにいけないと困っていました。
僕も耳掃除がしたかったのですが、綿棒をもう持っていなくて買えなかったので我慢するしかなかったです。
どんな人にオススメ?
僕はファームステイは農業に興味がある人、自然が好きな人、動物が好きな人にはオススメします。
とても貴重な経験になると思います。
しかし、それ以外の人には全くオススメしません。
むしろやめておいた方がいいと思います。
というのもファームでの仕事は辛いこともあります。
なので特に英語の勉強のためにと考えている人にはオススメしません。
もう一度考え直した方がいいと思います。
ファームステイも手段であることには変わりはありません。
自分が何に興味があるのか、どうしてファームステイをやろうかと考えているのかその辺を良くすり合わせて後悔のない判断をしていただけたら幸いです。
僕はこのファームステイをしている間、毎日記事を投稿していました。
実際にどんな暮らしぶりなんだろう?
どんなことをするんだろう?
そう思った人の助けになれば幸いです。
この記事がファームステイを考えている人の参考になれば幸いです!
カナダではホームレスともワイワイしてました。